大雨時に使い方を間違えやすい防災用品|長靴・水のう・脱出ハンマー・発電機

『大雨の防災用品 間違いやすい ポイント』の見出しと、雨具や防水バッグなどの防災用品

大雨用の防災用品は、持っていれば危険な場所へ入れる装備ではありません。長靴、簡易水のう、脱出用ハンマー、携帯発電機は、使う場面を誤るとかえって避難を遅らせたり、事故を招いたりします。

この記事では、一般的な持出袋や3日分備蓄の再説明ではなく、大雨時に誤用しやすい用品を「使える場面」と「使ってはいけない場面」に分けます。用品の組合せ、配置、点検方法は、各省庁・自治体の案内を基に当サイトが小規模事業所向けに整理した実務提案であり、法令上の一律基準ではありません。

商品の仕様・対応条件・価格・在庫は、購入前に販売ページとメーカー公式情報でご確認ください。

用品役立つ場面使わない場面
ひも付きスニーカーと雨具冠水する前の早期避難深い水や流れのある場所への進入
安全長靴水が引き、安全確認後の泥・汚水の片付け冠水中の避難、踏抜き性能未確認のままガラスや釘がある場所で使うこと
簡易水のう小規模浸水の初期対策激しい雨の中での設置、河川氾濫への対抗
脱出用ハンマー車内に閉じ込められた場合の最終手段冠水路へ進入する根拠としての使用
携帯発電機排気が建物へ入らず、雨に濡れない屋外での停電対応屋内、車内、テント内、雨や水がかかる場所
目次

避難はスニーカー、長靴は水が引いた後の片付けに

千葉県は、豪雨時の避難では長靴が水で重くなり、足を取られるおそれがあるため、スニーカーで避難するよう案内しています。冠水前に早期避難する際は、脱げにくいひも付きスニーカーを使うことを当サイトでは提案します。両手を空けられるレインコートや照明と組み合わせます。

すでに水が深い、流れがある、足元が見えないときは、靴を替えれば安全になるわけではありません。内閣府の「風水害から身を守る」は、膝上まで浸水している場合や大雨・強風が激しい場合、無理に屋外へ避難せず、建物の高い場所へ移る方が安全なこともあると案内しています。

長靴を使うのは、水が引き、建物と電気設備への立入りが安全と確認された後の片付けです。厚生労働省の「浸水した家屋の感染症対策」は、清掃時にゴム手袋、長靴、ゴーグルなどを着用するよう案内しています。家庭向けの資料ですが、事業所でも泥や汚水に触れる作業の保護具を決める際の参考になります。水が残る場所へ入ったり、濡れた電気設備へ近づいたりするための装備ではありません。

次の商品は、水が引いた後の泥や汚水の片付けに使う安全長靴の例です。丸五の「安全プロハークス#910」公式仕様では、PVC製、鋼製先芯、耐滑ソール、耐油底とされています。鋼製先芯はつま先を保護するもので、釘やガラスの踏抜き防止性能を意味しません。鋭利な破片がある場所では、踏抜き防止性能が明示された製品を選ぶか、専門業者へ依頼してください。購入前に各従業員のサイズを確認し、平時に着脱と歩行を試します。

停電時や薄暗い階段で両手を空けるには、ヘッドライトが役立ちます。購入後は装着方法、電池の向き、点灯時間を確認し、持出袋の外から取り出せる位置に保管します。照明があっても、冠水した道路や安全確認のできない建物へ入ってはいけません。

簡易水のうは小規模浸水の初期だけ

千葉県の「家庭でできる浸水対策」は、丈夫な40リットル程度のごみ袋を二重にし、半分ほど水を入れる簡易水のうを紹介しています。1個約20キログラムになるため、運搬が難しい場合は10~15リットル程度に減らします。段ボール箱と組み合わせて入口に並べたり、排水口からの逆流を抑えたりする用途があります。

簡易水のうは、小規模水害の初期段階で使うものです。雨が激しくなってから屋外へ設置しに行ったり、河川の氾濫を止めようとしたりしてはいけません。入口・設備・重要書類を守る用品の配置は、既存記事「オフィスの浸水対策用品を3役に分ける」で詳しく整理しています。

次の商品は、水を入れたごみ袋式の簡易水のうではなく、水を吸って膨らむ吸水土のうです。吸水方法、膨張までの時間、使用時の重量、積み方、使用後の処分方法を製品表示で確認してください。これも浸水前に設置する補助用品であり、豪雨中の屋外作業や避難の先延ばしには使いません。

脱出用ハンマーは冠水路へ入る装備ではない

国土交通省の冠水時の車両に関する注意喚起は、車両の床面を超えて浸水すると走行が困難になり、ドアの半分を超える水深では内側からほぼ開けられなくなると説明しています。冠水路には進入せず、アンダーパスや低い道路を避けることが先です。

万一、車内に閉じ込められた場合の最終手段が脱出用ハンマーです。国土交通省の車両からの脱出手順では、フロントガラスなどの合わせガラスは一般的な脱出用ハンマーで割れないと注意しています。購入時は、同省の脱出用ハンマーの選び方を参考に、JISマーク・GSマーク取得品や自動車メーカーの純正品など、破砕性能を確認できる製品を選びます。自分の車で割れる窓を取扱説明書などで確認し、運転席から手が届く場所へ固定することを当サイトでは提案します。

脱出用ハンマーは車種や窓ガラスとの適合確認が必要なため、この記事では未確認の商品を販売リンクとして掲載しません。

携帯発電機は屋内・車内・テント内で使わない

NITEの停電時の発電機と復旧後の通電火災に関する注意喚起は、携帯発電機を屋内、車内、テント内で使用しないよう求めています。一酸化炭素中毒を防ぐため、屋外でも排気が建物へ入らない場所で使います。また、NITEの自然災害時の製品事故に関する資料は、漏電や感電のおそれがあるため、雨天時に発電機を濡らさないよう注意しています。エンジン式携帯発電機は、屋外でも雨や水がかかる場所では使用しません。排気と冷却を妨げず、雨に濡れない設置場所と安全な延長コードの経路を平時に確保できない事業所は運用しません。

NITEは、避難前に時間的な猶予があり、安全に操作できる場合は分電盤のブレーカーを切るよう案内しています。復電後は、浸水等の被害を免れた機器の外観を確認し、1台ずつ接続して異常がないか確認します。浸水した機器は通電せず、当サイトでは電気工事業者やメーカーへ確認することを推奨します。

モバイルバッテリーも水濡れと異常発熱に注意

停電時に便利なモバイルバッテリーにも、リチウムイオン電池の事故リスクがあります。経済産業省の事故防止案内に従い、購入時はPSE表示を確認し、リコール対象でないか調べます。高温や強い衝撃を避け、膨張や異常発熱があれば使用を中止します。消費者庁のモバイルバッテリーに関する注意喚起は、水ぬれを避け、変な臭いなどの異常を感じたときも使用を中止するよう案内しています。

持出袋では防水袋へ入れますが、防水袋に入れたことを理由に浸水場所へ持ち込んではいけません。定期的な充電日と外観点検日を決めることは、当サイトの実務提案です。

モバイルバッテリーを選ぶときは、停電時に充電する端末と必要回数を先に決めます。次の商品も、販売ページの容量・出力・対応端末を確認し、平時に一度充電を試してください。水ぬれ、膨張、異常発熱などがある製品は使用しません。

水・食品・トイレ・持出袋は既存在庫を先に点検

基礎備蓄を一から買い直す必要はありません。水・食品・照明は会社の3日分備蓄チェックリスト、携帯トイレは従業員数別の計算と備蓄手順、持出品は共用品と個人用品を分ける作り方を使って既存在庫を棚卸しします。今回追加するのは、会社の立地、車両利用、停電時に動かす機器に応じて必要となる用品だけです。

書類や小型機器の持出しには、防水バッグを外袋として使えます。ただし、防水性能は製品ごとに異なり、水没まで保証するものとは限りません。重要書類と電子機器は密閉できる内袋にも分け、ファスナーの閉め方と持ち運べる重量を事前に確認します。

購入の優先順位

  1. 避難判断を先に決める:冠水路へ入らない、激しい雨の中で水のうを設置しないと共有する
  2. 片付け用長靴は用途を限定する:水が引き、立入りの安全を確認した後に使い、サイズ、先芯、耐滑、踏抜き性能を確認する
  3. 安価な用品から試す:スニーカー、雨具、防水袋、簡易水のうを実際に扱う
  4. 車両ごとに確認する:脱出用ハンマーで割れる窓と保管位置を確認する
  5. 発電機は用途が決まってから:動かす機器、必要時間、屋外の設置場所、燃料管理を決めてから選ぶ

用品の購入より重要なのは、使わない限界を決めることです。防災用品があるから大丈夫ではなく、危険になる前に移動や業務を止める判断を最優先にしてください。

公的資料・メーカー公式情報と確認日

  • 千葉県「家庭でできる浸水対策」「長靴」
  • 内閣府「風水害から身を守る」
  • 厚生労働省「浸水した家屋の感染症対策」
  • 国土交通省「水深が床面を超えたら、もう危険!」「車両からの脱出手順」「豪雨に備えて、車に脱出用ハンマーを備えましょう!」
  • NITE「停電時の発電機によるCO中毒や、復旧後の通電火災に注意」「自然災害時にまさかの製品事故!?」
  • 経済産業省「リチウムイオン蓄電池搭載製品の事故に気をつけましょう」
  • 消費者庁「モバイルバッテリーの事故に注意しましょう!」
  • 丸五「安全プロハークス#910」公式仕様

情報確認日:2026年8月15日

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