会社の安否確認に171は使える?企業向けツール4例と家族連絡を分ける初動ルール

『社員の安否 会社ツールと171を分ける』の見出しと、スマートフォンとパソコンで安否を確認する担当者

大規模災害では、電話がつながりにくくなり、担当者自身も被災します。連絡網やグループチャットがあっても、発動、回答、未回答者の確認方法が曖昧では集計が止まります。

会社が従業員の状態を把握する経路と、従業員が家族の安否を確かめる経路は分けます。171やweb171は、後者のために家族で使い方を決めます。会社の集計手段と混ぜないことが、正確な初動につながります。

確認の目的主な連絡相手平時に決める手段
会社による従業員の安否確認会社と従業員企業向け安否確認サービス、業務用チャット、メール、SMSなどを組み合わせる
従業員自身の家族安否確認従業員と家族・親族・知人171、web171、携帯電話各社の災害用伝言板、SNSなど複数を決める
目次

171を会社の社員確認に使わない

内閣府の「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」(令和8年1月)は、事業所と従業員間の安否確認方法をあらかじめ定めることと、従業員と家族間で171、災害用伝言板、SNSなど複数手段を確認することを分けて示しています。

さらにNTT東日本の「会社の社員安否確認に利用できますか?」は、171を家族・親戚・友人などの間の安否確認を目的とするサービスとし、会社での社員安否確認には市販の安否確認システムを利用するよう案内しています。したがって、会社の主経路や予備経路として171を指定するのではなく、家族間の連絡手段として従業員へ周知します。

会社の安否確認ルールで決める5項目

  1. 発動条件:地震、避難情報、停電・通信障害、責任者判断など、会社が確認を始める条件
  2. 責任者と代行者:発信・集計する担当者と、その人が動けない場合の代行順位
  3. 対象者:出勤者、在宅勤務者、出張・外出者、休暇中を含む全従業員
  4. 回答期限:最初の回答を求める時刻と、その後の更新間隔
  5. 未回答者対応:再送、別経路、所属責任者による確認の順序と記録方法

派遣社員、業務委託、来訪者をどこまで対象に含めるかも別に決めます。小さな会社でも責任者と代行者は分け、担当者自身が動けない場合に手順が止まらないようにします。

最初の回答項目は4つに絞る

  • 本人の状態:無事/けがあり/緊急の支援が必要
  • 現在地:事業所/自宅/外出先/避難先
  • 家族対応:対応不要/対応が必要
  • 勤務・初動対応:対応可能/対応困難/現時点では不明

これは企業が最初の状況把握に使う回答例です。自由文だけでは集計に時間がかかるため、最初は選択式で全体像を把握し、住所、病名、家族の詳しい事情などは必要な範囲で個別に確認します。命に関わる状況では会社への返信より119番などへの通報を優先することも、平時に伝えておきます。

主経路と予備経路を用意する

主経路は、企業向け安否確認サービスまたは普段使う業務用チャット、メールなど、従業員が迷わず操作できるものにします。予備経路はSMS、別のメール、電話連絡網など、主経路と通信方式が異なるものを選びます。電話が集中する災害では一斉に何度も発信せず、短いメッセージで回答先と期限を示します。

名簿には氏名、所属、連絡先、回答結果、最終確認時刻を記録します。個人情報を広いグループに流さず、閲覧できる担当者、保管期間、削除方法を定め、入退社や電話番号変更のたびに更新します。

企業向け安否確認ツール4例

以下は優劣の順位ではなく、小規模事業所が比較を始めるための例です。料金と機能は2026年8月15日に各社公式サイトで確認しました。人数、契約期間、オプション、税、仕様変更によって変わるため、契約前に最新の見積と利用条件を確認してください。本記事は各社から対価を受けた広告ではなく、リンクもアフィリエイトリンクではありません。

サービス公表料金の例主な通知・集計検討時の注意
e安否ライトは20名まで初期費用・月額0円メールを使った安否報告と集計無料プランでは地震連動の自動配信、組織図、家族メールなどを利用できないため、必要機能を確認する
セコム安否確認サービス スマート初期・基本料金0円。50名までは1ID月額220円(税込)メール、LINE、アプリへの通知と回答の自動集計300名以下の企業向け。実際に使う通知経路で無料体験を行う
ANPIC50名で初期25,000円、月額5,130円(税別)メール、アプリ、LINEへの通知と回答集計地震は自動送信。大雨・暴風などは手動送信
トヨクモ 安否確認サービス2初期費用0円。50名までライト月額6,800円、プレミア月額8,800円(税別)メール、専用アプリへの通知と回答の自動集計。LINEはオプションライトは手動送信のみ。災害連動の自動送信が必要ならプレミア以上を検討する

無料か有料かだけで決めず、試用環境で全従業員へ実際に送って比較します。特に確認するのは、①自動送信の対象となる災害・地域、②従業員が普段確認できる通知経路、③未回答者への再送と別経路、④複数管理者による代行、⑤入退社時の名簿更新と閲覧権限、⑥訓練結果の保存・出力です。家族向け機能があるサービスでも、会社が閲覧できる範囲を確認し、家族自身の171・web171利用計画とは分けて扱います。

未回答は「無事ではない」ではなく「不明」

返事がない原因は、けがだけではありません。停電、端末の電池切れ、圏外、家族の救護、勤務時間外なども考えられます。未回答者は「不明」と記録し、決めた時刻に再送、予備経路への切替え、所属責任者からの確認へ進みます。連絡時刻と手段を残せば、担当者が交代しても重複や確認漏れを減らせます。

連絡が取れないことだけを理由に、危険が確認できない地域へ別の従業員を向かわせたり、本人へ直ちに出社を求めたりしません。まず本人と確認担当者の安全を優先します。

家族とは171・web171を事前に練習する

171は音声の伝言web171は電話番号をキーにした文字の伝言を登録・確認する仕組みです。提供開始や保存期間などの条件は災害の状況に応じてNTTが設定します。家族で「誰のどの電話番号をキーにするか」「どの順番で確認するか」を決めておきます。

東京都の「災害時の安否確認」も、家族等との複数の連絡手段を確保するよう案内しています。NTT東日本の体験利用案内では、毎月1日・15日、正月三が日、防災週間、防災とボランティア週間に体験利用日が設けられています。会社の訓練日に家族向けの練習も案内すると、施設内待機中の不安を減らせます。

発災時の初動手順

  1. 各自が身の安全を確保し、必要なら避難・救命通報を優先する
  2. 責任者または代行者が、対象者と回答期限を示して安否確認を発動する
  3. 集計担当者が4項目を一覧化し、緊急支援が必要な人を先に個別確認する
  4. 未回答者を「不明」として、決めた順序で別経路から再確認する
  5. 事業所の安全、出勤可能人数、重要業務への影響を責任者へ報告する
  6. 状況が変わる間は次回報告時刻を示し、記録を引き継ぐ

まず1枚の運用表を作る

最初から長いマニュアルにせず、「発動条件/責任者・代行者/対象者/主経路のサービス名と管理画面/予備経路/回答4項目/期限/集計担当/未回答者への再確認順序/最終報告先」を1枚にまとめます。訓練では、例えば送信開始から10分後・30分後の回答数、使えなかった経路、代行者が集計できたかを記録し、連絡先と手順を直します。

安否確認の目的は回答率を競うことではなく、支援が必要な人を早く見つけ、待機・避難・事業継続の判断につなげることです。会社の確認経路と家族の連絡経路を分けたうえで、両方を平時に試しておきましょう。

一次資料と情報確認日

情報確認日:2026年8月15日。料金・機能は変更されるため、導入時は各社の最新情報を確認してください。実際の災害時は、自治体、消防、警察、通信事業者などが発信する最新情報を確認してください。

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