防災基本計画を修正|企業が防災技術ニーズを整理する3つの視点

オフィスで防災技術と自社課題を検討する担当者ら

企業の防災技術は、製品名から探す前に、自社で止められない業務と必要な支援を整理しておくと、外部との連携につなげやすくなります。2026年7月14日、中央防災会議は防災基本計画を修正しました。修正概要には、防災×テクノロジー官民連携プラットフォームを通じ、企業の先進技術と企業の防災ニーズとのマッチングを推進することが示されています。これは進行中の災害や日々変動する数値ではなく、決定日が固定された国の計画修正です。

目次

令和8年7月14日の修正は完成済みの国家計画

防災基本計画は、災害対策基本法に基づき中央防災会議が作成する、政府の防災対策に関する基本的な計画です。内閣府の公表ページは、令和8年7月14日に同計画を修正したことを明記し、修正後の概要と本文を公開しています。今回の記事では、その完成版に記載された企業の技術と防災ニーズの連携を取り上げます。

ただし、この修正だけで全ての企業に特定の機器導入やプラットフォーム参加を義務付けるものではありません。個別の法令、契約、自治体の制度、施設管理上の要件は別に確認が必要です。国の計画が示す方向性を、BCPや防災担当の検討項目へ落とし込むための材料として扱います。

企業の技術と防災ニーズを結ぶ考え方が示された

修正概要では、関連する法令改正を踏まえた項目の一つとして、防災×テクノロジー官民連携プラットフォームを通じた、企業の先進技術と企業の防災ニーズのマッチング推進を掲げています。ここで重要なのは、技術の導入自体を目的にせず、災害時に解決したい業務上の課題を先に言語化することです。

整理する対象社内で確認する質問残す記録
止められない業務発災後も優先する業務は何か優先業務、代替担当、復旧目標
情報と連絡安否、被害、顧客連絡をどう集めるか連絡経路、通信断時の代替、担当者
施設・物流停電、断水、交通支障で何が止まるか依存設備、代替手段、協力先

技術名ではなく防災課題を三つに分けて書く

防災担当だけで候補を選ぶと、現場の使い方や維持管理が抜けやすくなります。総務、情報システム、施設管理、調達、各事業部から、平時に次の内容を集めます。

  • 発災直後に把握できなければ困る情報と、その取得方法
  • 停止すると安全又は顧客対応に影響する設備・拠点・物流
  • 既存の備えで足りない場面と、代替手段へ切り替える条件
  • 導入後に誰が操作、点検、訓練、契約更新を担うか

このように課題、利用場面、責任者を一枚にまとめれば、外部の技術やサービスを検討するときも、必要性と前提条件を比べやすくなります。実証や導入を決める前には、通信、電源、データの取扱い、避難誘導への影響、保守体制を個別に確認してください。

BCPの見直しでは導入後の運用まで決める

新しい仕組みを採用しても、連絡網や手順書が古いままでは機能しません。BCPには、使い始める判断、利用できない場合の代替、訓練で確認する項目、見直しの担当と時期を記載します。技術の比較資料だけを残すのではなく、既存の防災計画のどこを更新するかまで決めることが、実務上の備えになります。

2026年7月の防災基本計画修正は、企業の先進技術と防災ニーズを結ぶ取組を国の計画に位置付けた、固定された公表事項です。自社に必要な技術を急いで決めるのではなく、優先業務、情報、施設・物流の課題を整理し、導入後の運用までBCPへつなげましょう。

情報確認日:2026年8月22日(JST)。出典:内閣府「防災基本計画」内閣府「防災基本計画修正(令和8年7月)の概要」

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