消防庁が火災予防条例(例)を改正|飲食店・社員食堂の排気ダクト管理を確認する3点

飲食店の厨房で排気ダクトとグリスフィルターを点検する施設管理担当者

飲食店や社員食堂を運営する事業者は、厨房機器の周囲にある排気ダクトを「清掃業者に任せている設備」として見落とさず、対象設備・点検の担当・所在地の消防本部へ確認する順番を平時に整理することが重要です。消防庁は2026年7月3日、火災予防条例(例)の一部改正を通知しました。調理に用いる器具の周囲で使う排気ダクト、グリス除去装置等に油脂等が付着しないよう適切に管理する規定を、条例(例)に新設したものです。これは進行中の火災情報ではなく、通知日と内容が固定された公表事項です。

目次

令和8年7月3日の改正通知で何が示されたか

消防庁の消防予第278号は、液体・固体・気体の燃料又は電気を熱源とする調理器具について、周囲で使用する排気ダクトやグリス除去装置等の油脂管理に関する規定を、火災予防条例(例)の第18条から第21条へ加える内容です。同通知に添付された条例(例)の施行期日は2027年4月1日とされています。

消防予第278号の1頁。2026年7月3日付の火災予防条例(例)一部改正通知で、排気ダクト・グリス除去装置等の油脂管理と2027年4月1日の施行期日を示す箇所
資料画像の出典:公式資料(消防予第278号 1頁・第1および第2)

ただし、火災予防条例(例)は国が地方自治体へ示すモデルであり、この通知だけで全国の店舗や社員食堂に同じ義務・同じ清掃周期が直ちに生じるものではありません。通知は消防組織法第37条に基づく助言として発出されています。実際に確認すべき条例、施行日、届出や点検の扱いは、所在地の自治体条例と消防本部の案内です。

対象設備と責任分担を先に見える化する

確認する対象平時に整理する内容確認先
調理器具と排気取入口どの厨房・熱源・フードが対象か、日常点検を誰が行うか店舗責任者、厨房管理者
排気ダクト・グリス除去装置等経路、点検口、清掃可能な範囲、油脂の付着を確認する方法設備保守会社、清掃委託先
火炎伝送防止装置等設置の有無、図面、改修時に点検・清掃しやすい構造へ見直す要否設備業者、所轄消防本部

消防予第279号は、油脂を含む蒸気が発生するおそれのある調理器具の上引き排気ダクト等について、点検・清掃の考え方を示しています。設備の構成によって確認箇所や例示される頻度が異なるため、厨房ごとに「どの部分を、誰が、どの記録で確認するか」を設備図と一緒に残すことが実務的です。契約書に清掃が含まれていても、日常の目視確認や異常時の連絡担当まで自動的に決まるわけではありません。

点検・清掃を一律の周期と決めつけない

同運用通知には、グリス除去装置や火炎伝送防止装置の有無、調理器具からの位置などに応じた点検・清掃の例が示されています。これは、全ての設備に同じ間隔を当てはめるための表ではありません。装置の構成、油脂の発生状況、既存設備の構造、自治体で定められたルールを確認し、必要な管理方法を決めます。

油脂の付着を見つけても、稼働中の厨房内へ無理に入り込んだり、設備を自己判断で分解したりしないでください。火気の停止、現場の安全確保、設備保守会社への連絡を優先します。消防用設備の点検や建築・電気設備の保守と担当が分かれている場合は、誰が最初の連絡を受け、誰が清掃・改修の手配をするかも決めておきます。

自治体の施行に備えて四つを確認する

  • 所在地の火災予防条例の改正内容と施行日を、所轄消防本部の公表資料で確認する
  • 厨房ごとに、熱源、フード、排気ダクト、グリス除去装置等の位置を一覧化する
  • 日常確認、定期清掃、異常時連絡の担当者と代行者を、委託契約と矛盾しないよう決める
  • 改修や設備更新の機会に、点検口や清掃しやすさを設備業者・消防本部へ相談する

今回の通知は、排気ダクトの火災予防を設備の設置だけで終わらせず、油脂が付着しない状態を維持する管理へつなげる内容です。飲食店・社員食堂の事業者は、国の条例(例)をそのまま自社の義務と読み替えるのではなく、所在地の条例と設備構成を照合し、日常確認と専門業者への連絡が途切れない管理計画を整えましょう。

情報確認日:2026年8月24日(JST)。出典:消防庁「令和8年 通知・通達」消防予第278号「火災予防条例(例)の一部改正について(通知)」消防予第279号「上引き排気ダクト等の適切な管理に関する運用について(通知)」

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