東京都内の事業所で断水が起きたとき、社内の飲料水備蓄だけでなく、災害時給水ステーションの開設情報を確認して水を受け取る場面を想定しておくと、初動の混乱を減らせます。準備するのは容器だけではありません。誰が開設状況を確認し、誰が清潔な容器を持ち、どの経路で事業所へ運び、受け取った水をどう記録して配るかまで決めます。
給水ステーションの開設状況を先に確認する
東京都水道局「災害時に水を配る場所 ~災害時給水ステーション~」は、断水時に給水ステーションで水を配ること、開設状況を水道局ホームページ・アプリ・区市町の広報などで知らせることを案内しています。事業所では、給水拠点の候補を平時に地図で確認し、発災後は「近いから行く」ではなく、実際に開設されているかを担当者が確認してから動きます。
- 開設状況を確認する担当者と、連絡が取れない場合の代行者
- 拠点名、確認時刻、情報源を社内へ伝える連絡方法
- 水を取りに行く人数、移動の安全を確認する判断者
- 受水後に水量と搬送先を記録する担当者
この役割分担は、給水ステーションの利用を前提にしたものです。移動が危険な状況では、用品があっても取りに行かず、自治体や建物管理者の案内に従って安全確保を優先します。
清潔な容器と搬送具を別々に選ぶ
東京都水道局は、給水を受ける際に水を入れる清潔な容器を用意するよう案内しています。また、3リットルの水は約3キログラムになるため、背負える給水袋や空のペットボトルとリュックサックなどを例示しています。事業所では、容器の容量だけで決めず、満水時に一人で持てるか、注ぎ口を清潔に保てるか、保管時に乾かして戻せるかを確認します。
複数の容器を建物内へ運ぶなら、容器と搬送具を一組で試します。容器は飲用水を入れる用途に使えるか、ふた・持ち手・注ぎ口を確認し、搬送具は段差、エレベーター停止、廊下幅を踏まえて動かせるものを選びます。次の2品は、給水拠点から事業所へ水を受け取り運ぶ目的に直接対応する組合せです。
受水から社内配布までを一つの流れにする
| 段階 | 確認すること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 開設確認 | 拠点、開設状況、移動の安全 | 確認時刻と情報源 |
| 受水 | 容器の清潔さ、ふた・注ぎ口、受け取った量 | 容器数と水量 |
| 搬送 | 持ち上げる人数、段差、通路、休止場所 | 搬送担当と到着時刻 |
| 配布 | 飲用・衛生など用途、配布担当、残量 | 配布先と残量 |
受け取った水をどこへ置くかも重要です。直射日光、高温、床の汚れを避け、飲用と清掃用を混同しない場所を決めます。容器を共用する場合は、返却・洗浄・乾燥を誰が確認するかまで決めておくと、次の給水時に清潔な容器を用意しやすくなります。
平時の訓練で確かめる四つのこと
- 給水拠点と事業所を結ぶ経路に、段差、狭い扉、坂道、エレベーター依存がないか確認する。
- 空の容器へ想定量の水を入れ、担当者が安全に持てる重さか、搬送具へ固定できるかを試す。
- 建物内の保管場所から配布場所まで、避難動線を塞がずに運べるかを確認する。
- 開設確認、水量記録、配布記録を一枚の様式で書けるかを、担当者と代行者で試す。
この訓練は、社内に保管する3日分の飲料水を置き換えるものではありません。備蓄の数量管理と、給水拠点を利用する際の受水・搬送・配布の運用を分けることで、どちらの不足も見つけやすくなります。
まとめ
給水ステーションを利用する備えは、容器を買うことでは終わりません。開設情報の確認、清潔な容器、無理のない搬送、社内配布の記録を一つの手順にしてください。東京都内の事業所は、平時に最寄りの拠点と搬送経路を確認し、実地で試します。
情報確認日:2026年8月26日(JST)。出典:東京都水道局の公式案内。

