消防庁が救急の日・救急医療週間を実施|事業所の救急連絡と引継ぎ手順

消防庁が2026年9月1日に公表した令和8年度「救急の日」及び「救急医療週間」は、9月9日の救急の日と、9月6日から12日までの救急医療週間を案内するものです。事業所で今確認したい結論は、救急箱やAEDを置くだけで終わらせず、突然人が倒れたときに、119番通報、AEDの依頼、救急隊の案内・引継ぎを誰が担うかを短い役割表にしておくことです。診断や処置を社内だけで決めず、緊急時は119番通報後の通信指令員等の案内を優先します。
救急の日・救急医療週間を確認の機会にする
消防庁の資料では、救急の日は9月9日、救急医療週間は救急の日を含む9月6日から12日までと示されています。期間の行事だけを確認して終えるのではなく、事業所の連絡手順を見直すきっかけにします。特に来客や複数フロアがある職場では、発生場所を電話で伝える人と、入口から救急隊を案内する人が別になる場面を想定しておくと、現場の混乱を減らせます。
この期間が新しい社内の救命手順を定めるものではありません。普段からAEDの場所と連絡先を確かめ、実際の緊急時には119番通報後の通信指令員等の質問や口頭での案内に従う、という基本を社内で共有します。体調不良の原因を周囲だけで決めつけたり、判断を遅らせたりしないことが前提です。
事業所で分ける三つの役割
その場にいる全員が同じことをしようとすると、通報、AEDの依頼、入口案内が抜けやすくなります。人数が少ない場合も、担当名だけでなく不在時の代替者まで決めておきます。応急手当を行う人を固定するのではなく、119番通報を受けた通信指令員等の案内を聞く人を確保する考え方です。
| 役割 | その場で行うこと | 平時に決めること |
|---|---|---|
| 通報・AED依頼 | 周囲に協力を求め、一人が119番通報、別の人へAEDの搬送を依頼する | 事業所名、住所、フロア、入口、AEDの場所をすぐ伝えられるようにする |
| 現場対応 | 自身と周囲の安全を確かめ、通信指令員等の案内を聞く | 救命講習の受講機会と、手袋などの保管場所を確認する |
| 案内・引継ぎ | 救急車の到着に気付いたら入口から案内し、確認できた事実を伝える | 解錠、エレベーター、来客受付を誰が担うかを決める |
引継ぎは「見た事実」と「行ったこと」を分ける
消防庁の「救急通報のポイント」は、119番通報、AEDの依頼、救急車が近づいたときの案内に加え、救急隊へ伝える情報を示しています。事業所では、紙一枚または共有端末のメモ欄に、倒れた又は具合が悪くなった状況、待つ間の変化、行った応急手当、把握できる範囲の持病・かかりつけ・普段の薬・医師の指示を分けて記録できるようにしておくと、引継ぎが整理されます。
ここで大切なのは、推測した病名や、確認できていない個人情報を書き足さないことです。本人や家族から入手できる範囲の情報だけを扱い、救急隊には「誰が、いつ、何を見たか」「何を行ったか」を簡潔に伝えます。救急車の音が近づいたら、現場対応以外の人が入口へ出て誘導する役割も、受付や警備の担当と読み合わせておきます。
10分でできる平時の読み合わせ
- AEDの場所を地図と実物の両方で確認し、夜間や休日に入れる経路も確かめる。
- 119番通報をする人、入口で救急隊を案内する人、その代替者を一組ずつ決める。
- 事業所名、住所、階・部屋、入口、解錠方法を伝える順に、短く声に出して読み合わせる。
- 引継ぎ用メモに記す項目と保管場所を決め、個人情報を必要以上に広げない。
- 地域の消防署が案内する応急手当の講習を確認し、受講後も役割表を見直す。
訓練では、実際に病気やけがの重さを判断する練習にはしません。通報・AED依頼・案内・引継ぎの担当を途切れさせない練習に絞り、実際の緊急時には119番通報後の案内を優先します。ビルの管理会社、テナント、警備会社が関わる職場では、鍵や共用入口の扱いを一社だけで決めず、連絡先と役割分担をあらかじめ照合してください。
まとめ
救急の日・救急医療週間は、職場の救急対応を「備品の所在」から「人が動く順序」へ見直す機会です。119番通報、AEDの依頼、救急隊の案内・引継ぎを分け、事実だけを短く伝える準備をしておけば、実際の場面で通信指令員等の案内を受ける土台になります。
情報確認日:2026年9月10日(JST)。出典:消防庁「令和8年度『救急の日』及び『救急医療週間』」、消防庁「応急手当WEB講習 助けを呼ぶ(119番通報とAEDの依頼)」、消防庁「救急通報のポイント」。
